2011年8月10日水曜日

夢を語れるか?

 Stanford MBAでは、view from the bottomという、ランチタイム休憩中に、教室内で有志の学生が今までの人生を1時間でクラスメートに対して語る/共有するイベントがある。今日は、去年最も印象に残った、夏休み直前に開催されたview from the bottomを紹介したい。

スピーカーは、とあるアメリカ人女性。彼女は元プロのバレリーナで、その後ファッション雑誌Vogueで働いた後、Stanford MBAに来た。卒業後は ファッション関連の起業をしたいとのこと。彼女は、子供の頃、プロの劇団によるバレーを見て、「絶対将来この舞台に立つ」という強い夢を持つようになり、 並大抵ではない努力の末、超難関の全米トップレベルのバレー劇団に入った。彼女は、バレリーナになりたいという夢が自分にとってどれだけ重要だったか、どれだけハードワークしたか、プロのバレリーナとしての生活がどれだけ充実していたか、なぜMBAを取ろうと決めたのか、を熱く語ってくれた。

僕がとても感心したのは、中高時代、彼女はバレーのみではなく、きちんと勉強もして、結果的に全米有数の大学であるプリンストン大学に入っているという点。勉強と課外活動の両立は難しいとよく言われるが、努力次第では 不可能なことなんてないんだな、と思うとともに、自分が中高時代に設定していたハードルがいかに低かったかを思わずにいられなかった。

そして何より、自分の夢を語っていた彼女はとても輝いて見えた。過去の夢(バレリーナ)も将来の夢(起業)も。自分で言うのもなんだが、僕は今まで、色々な面でそれなりには要領よく生きてきたと思う。一方で、情熱を持って取り組める何かを追い求めてきたかと聞かれると、少し自信がない。自分のしていることを、世間に、友達に、そして何より家族に情熱と自信を持って言えるようになりたいな、夢を語れる人間でいたいな、そんなことを強く思った一日だった。