2011年11月10日木曜日

人の影響力を測る? - Klout誕生ストーリー


Kloutの創業者/CEOであるJoe Fernandez の話を聞く機会があった。

 





彼は、2007年に10代の頃からの持病だったあごの手術を経験。その結果、2ヵ月間、口が閉じたままとなった。話すというコミュニケーション手段を奪われた彼は、TwitterやFacebookを用いて友人や家族とコミュニケーションをとるようになった。彼は、TwitterやFacebookを通じて、自分が考えていること、経験したことを友人に瞬時に共有できることの素晴らしさに気づくと共に、一つのビジネスアイデアを思いついた。

「TwitterやFacebookでのやり取りを通じて、その人の影響力を測ることができたら面白いんじゃないか?」

エンジニアでもあり、自分でアルゴリズムを作ることができた彼は、あごが完治した後、早速、ソーシャルメディアにおける影響力を数値化するサービスを提供するKloutを起業した。当初は周りの誰もが口を揃えて「そんな情報誰も欲しがらないし価値無いよ。」と言っていたようだ。 実際、起業の際にメンバーを募ったが、結局誰も集まらなかったとのこと。

当初は彼自身がマニュアルでKloutのSign upの処理をしていたこと、klout.comというドメインが既に一般人に取得されていたため、1年以上もその保有者を追いかけて、最終的に何とかドメインを譲ってもらったこと、等の裏話を聞かせてくれた。

そんなKloutも、今となっては、従業員50人(うち40人がエンジニア)を抱える、注目のStart upとなった。メディアで言及されることも多い。

人の影響力を数値化することには、違和感を覚える人も多いだろうし、批判も絶えないようだ。そんな批判的な意見に対して、彼はこう言った。

「現代社会においては、我々は常に、企業のマーケティング部門から、お金の使い方によって、「区別(セグメント)」されている。Kloutを批判している人は、それについてはどう考えるのか?Kloutは、たとえお金がなくても、誰でもアクセスする機会があるソーシャルメディアを通じて自己を表現し、他人から多くの賛同を得ることができる人々を正当に評価する仕組みなんだ。」


影響力の測定には主観が入り込まざるを得ず、アルゴリズムに批判も多い。この点については、彼はこう述べた。

「影響力というのは、その定義上、主観が入り込まざるを得ない。完璧なアルゴリズムは存在しない。我々にできるのは、より適切に影響力を反映できるように努力することだけだ。何が適切かはユーザーの総体としての反応を見るほかないと思う。すなわち、利用頻度の増減が適切か否かの最も有効な尺度と考えている。」



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結果的に成功したStart upが、Crazyなアイデアとして当初は誰からも賛同を得なかったというのはよく聞く話だ。もし、自己のStart upのアイデアが当初から周りから賛同を得るものである場合には、ビジネスプランを見直した方がいいかもしれない。


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