MBAというと経営に関する専門知識を学ぶプログラムと理解されることが多いように思うが、最近では、特にTop Schoolは、知識に加えて、リーダーシップの教育に力を入れている。多くのビジネススクールでは、リーダーシップに関する問題がテーマとなったケースを用いたディスカッション、Team Building Activity、ビジネスリーダーの講演等を組み合わせて、リーダーシップを生徒にどうにか教えようと試みている。
Stanford GSBでは、1年目の秋学期(初学期)に、Leadership Labsという授業で、実践を通じてリーダーシップを教えている。この授業の内容は下記の通り。
- 生徒8人でチーム(Squad)を構成する。
- リーダーシップ教育のトレーニングを受けたMBA2年生の有志が各チームのコーディネーター/アドバイザーを務める。
- 各テーマ毎に設定された各種のケース(社員の解雇、組織改変、プロジェクトの選択等、ビジネスリーダーが実際に直面する問題)について、Squad単位でロールプレイングをする。
- メンバーがロールプレイングをしている間、他のメンバーはそれを観察し、ロールプレイング後Feedbackを与える。
- ロールプレイングはビデオ撮影し、後でFeedbackと共に、自己のPerformanceを観察できる。
- ロールプレイング及びFeedbackを行った後、その日のテーマに関わるリーダーシップ論の理論について講義形式で学ぶ。
- 授業は週に一回。授業の後、Squadでミーティングを開催し、その週の反省点等を話し合う。
- 授業の集大成として、最後の授業の日に、難易度の高いケースのロールプレイングを、Stanford GSB卒業生のビジネスリーダー(わざわざこのために学校を訪れてくれる、社長、投資銀行/PEのMD、コンサルのパートナー等)相手に行う(Executive Challengeと呼ばれる名物イベント)。
Executive Challengeの様子
簡潔に言うと、通常は「Why should you follow them?」という視点で教えられるLeadershipを、「Why should they follow you?」という視点で教えるのがStanford流ということだ。
同授業では、リーダーシップに関する以下の項目について多くを学んだ。
- Self-awareness
- Maximizing Team Effectiveness
- Relationship Management / EQ
- Conflict Management
- Assertiveness
- Influence
準備・復習等何かと工数のかかる授業だったため、当時は(正直)大きな負担に感じていたが、振り返ってみると、最も学びが大きく、自己の成長を感じることのできた授業の一つだ。
次回以降、数回にわたって、これらの各項目における主要な学びを共有していきたい。
次回以降、数回にわたって、これらの各項目における主要な学びを共有していきたい。